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第3回 (ガール椿より紹介)
Blue Grosso の巻
(2004年)
Blue Grosso are...

(L to R)
山本貴啓 (B.)
小池正和 (Vo.&G.)
松井洋平(Dr.)
※取材協力:
bul del mare(ブル ディル マーレ)
中区鉄砲町7-13 CDビル4F



どんなバンドも一言で言い表せないのは当たり前だが、特にBlue Grossoは説明するのが難しい気がする。
あえて言うなら、玄人ウケしそうな雰囲気、ジャズの匂いを濃く漂わせているものの、ポップであったりロックであったり、様々な要素を持ち合わせているバンドだ。

結成は2002年。
3人が出会ったのは、松井が当時働いてた店「Blue Grosso」(中区立町にあるリビングカフェ/ダイニング)
小池と山本はそこの常連客でよく話をしていた。

以前は小池が家でアコギで弾き語り、山本がハードロックのベースをやっていた事もあったが、新たにバンドをやりたいと、2人でスタジオに入るようになった事を知り(その時は、山本がドラムを叩いていた)、松井がなんとなくスタジオに遊びに行ってみたところ、松井のドラムが上手く、それぞれのパート分けがピッタリくるので「じゃ、やろうか」という運びになった。

バンド名は3人の出会いの場であった「Blue Grosso」から命名。

結成後1ヵ月で、山本は転勤のため兵庫へ。しかし、練習のため週1回は広島に帰ってきていたというから驚きだ。
しかし、神戸での生活はかなりの刺激になったようで、今まで特別好きな音楽はなかった/何でも好きだったのが、神戸でジャズを見て以来ハマり、ウッドベースにも興味を持つようになった。それがバンドにも大きな影響を与えることになる。

邦楽、洋楽、ロック、ポップ、ジャズ、ラテンetc.....3人の音楽性が違う分、曲はバラエティーに富んでいる。
小池:「出来れば1曲1曲違った雰囲気が欲しい、このバンドはこういう雰囲気で統一して...みたいなのはイヤだった。その曲が一番良く聴こえるようにしたいなって...」

山本:「好きな音楽が違うから、逆にこういう事が出来ると思うし。ロックだけだと本当にそれだけ、というか。ライブとか見に行っても、バンドによっては "今、曲変わったの?" というぐらい同じ音楽しかやらないのが多い、そういう飽きるような事はやりたくないし」

小池:「歌が聴こえないバンドが嫌なんですよ(笑)。歌詞が聴き取れないのがすごい嫌で。だから歌が聴こえるようなアレンジには気を遣ってますよ」

歌詞を大切にしている分、作詞についてはこだわりがあるかと思いきや、テーマをあまり考えずにメロディーにのればいいという形で進め、そして出来てからこういうテーマだった...という事が多いそうだ。自分たちが見たい、聴きたいものを作るようにはしている。

音楽性も時と共に変化しているが、いろいろ凝った演奏をしても歌ものバンドではありたいという姿勢は変わらない。
歌詞とコードは小池が作り、そこからメンバーで発展させていく。
あまり細かい話をしたくない(ここの小節を間違えたとか)、ガチガチに作っていかず、なるべく大雑把な感じで、ジャムバンドの様なスタイル:何も言わずパッと入って曲を作れるようになるのが理想だとか。

小池:
「ライブやりたいんで、僕自身がライブが好きなタイプなんで、ぜひライブに来て欲しい」
ライブに対しては、前とまったく同じ事はやりたくない、という考えから、展開も大幅に変えたり、やる度に新しい曲を3曲は演奏したりと、演る側も見る側もお互いに飽きないような形を目指しているようだ。
変に盛り上がるよりは、じっくり聴いて欲しい、と。
そして、暗い曲でも明るい曲でも、バンドの音のまとまりを一番大事にしたいし、それが聴きやすさに繋がる。
松井:「もう1人メンバーがいるんじゃないか、というぐらいの音の拡がりを出したい」

ライブを経験しているバンドなら身に覚えがある話だが、ライブをやっても、お客さんのお目当てのバンドでない限り、意外に反応は少ない(バンド同士では結構あるものの)。
その辺りの試行錯誤から、外(路上)でも演奏をやってみたい、音を出してみたいという欲求はあるそうだ。
また、そう遠くない将来、ミニアルバムではなく、フルアルバム並みの曲数を収録したCDをリリースする予定。

世の中には多くの種類の音楽があるのに、ジャンルが細分化した分、このジャンルだけしか聴かないという人も多いが、それはつまらない。それは現在のチャートを見てもわかる通り、案外本当に聴きたい音楽に出会ってない人が多いのでは?
Blue Grossoを聴く事で、自分の新たな趣向性に気付く人がいればいいと思う。

松井:「バンドをやってる奴にしか解らない音楽ってつまらないよね。歌ものバンドのいいところは、楽器をやったことがない人でもわかるところだと思う。バンドをやってなくて普通の人で、でも、うちの音楽を聴いてラテンだとかジャズとかを好きになった人がいたら嬉しいよね」


(興味を持った人は勿論)自分の聴いた事がないジャンルだと思った人も、何か新しい世界を発見できるかもしれない。そういうバンドではないだろうか。




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